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Technical Review e-Book 論文要旨

電動車駆動用リチウムイオン電池性能の確率分布の推定と推移予測

Honda R&D Technical Review Vol.29 No.2 収録

要旨

Hybrid Electric Vehicleに搭載されたリチウムイオン電池の使い方と性能状態を,故障診断機を通じて収集した.収集データの分析により,ユーザ使用環境におけるリチウムイオン電池容量と,開発時に最も劣化が早いと想定した容量劣化予測ラインとの間にかい離があることがわかった.ユーザ使用環境におけるリチウムイオン電池性能は,初期性能ばらつき,使い方劣化ばらつき,耐久後劣化ばらつき,Electric Control Unitによる性能算出誤差により構成されている.容量のかい離は,開発時に想定した性能劣化予測ラインが,上記の各性能因子のばらつきの厳しい位置づけの値が同時に発生する条件で算出されていることが原因で発生していた.
電池性能を構成する各ばらつきと,ばらつき間の相関関係を正確に把握し,それらを反映したリチウムイオン電池の劣化後性能の確率分布算出式を構築した.日本向け2013年モデルFIT HYBRID 126,742台の使い方データと容量データを用いて,構築した算出式の妥当性を検証した.その結果,車両登録から1.5年経過後の実容量分布と,構築した式を用いて算出した1.5年後の推定容量分布の一致性が示され,算出式の妥当性が証明された.また,目標使用期間後の性能の予測確率分布に対し,開発時に想定した容量劣化予測ラインを用いた予測容量は9.6σの位置づけにあることを定量化できた.劣化後性能の確率分布を算出できるようになったことで,リチウムイオン電池の最適なコスト設計や,目標使用期間中にHybrid Electric Vehicleの車両性能を最大限引き出すことが可能となった.

参考文献

(1) 武政幸一郎,宮下拓也,赤松健治,羽田知史,上甲昌郎:テレマティクス技術を活用したBEV用リチウムイオンバッテリ容量の推定と推移予測,Honda R&D Technical Review, Vol. 28, No. 1, p. 145-151
(2) Miyashita, T., Kawamura, M.: Customer Usage and Durability of Li-Ion Batteries for Honda’s Electrically-Propelled Vehicles, the 17th Annual Advanced Automotive Battery Conference, (2017)
(3) 市村雅弘:小型リチウムイオン電池の寿命特性,NTT Building Technology Institute 2005,p. 1-7, (2005)

著者(所属)

宮下 拓也(四輪R&Dセンター)、川村 雅之(R&Dセンター X)

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